しなやかなボディラインに美しい毛皮をまとった僕たちの優雅な同居人。彼女の実家は東京都渋谷区恵比寿の。ご存知の方はご存知、人気メニュー“まくら”で名高い名店とよかつさんです。恵比寿を根城にしていたのはもう10年も前だというのにときどき無性に食べたくなってこまります。
まくらという名のつくね
赤ん坊のにぎりこぶしほどもあるつくねを串を刺し、ニラでぐるぐる巻にしたやつを炭火でたっぷり時間をかけて焼く。熱を帯びた70年物?のタレが煙となって広がる。あぁこの匂いですよ。
ニラが黒く焦げたところで、皿の上に。これは僕たちの?それとも??
ツイーっと目の前に皿がくる。これですよ、これ。すかさず熱々のヤツを頬張る。ニラの焦げた香りの奥から肉汁がジュワッ。これが旨い、熱い。 焼き物は“塩”一辺倒の僕たちだけど、この“まくら”だけはタレ。タレ以外の選択肢はナシ。
ビールもいいがホッピーかな。それとも、甲州市は勝沼町産、とよかつといえばこれでしょうの原茂ワインでいきますか。
70年使い続けたタレ?って伝説もあるけど
さきほど70年物と書いた秘蔵?のタレですが、先代のお母さんにいわせると「何いってんの、継ぎ足してる間にそんな昔のなんかとっくになくなっちゃってるわよ」とあっさり、きっぱり。(お話を聞いた当時はまだ50年物でしたけどね)
ところで、とぼけた名前でしょ。まくらって。名前の由来だって気になりますよね。それもお聞きしてみたけど、フフッっていいながらはぐらかされちゃった。気になるけどおいしいから謎ってことでいいか。
GoToキャンペーンもあることだし、今年は久しぶりにいってみようかな。あの賑わいと煙が迎えてくれるカウンターへ。