宇宙ステーションに長時間滞在する場合想像通り筋肉量の低下が大きな問題です。そこで滞在中は毎日2時間のトレーニングタイムが用意されているのだとか。連日2時間は多すぎない?と思うのは地球人の感覚。宇宙空間は毎日が無重力ですもの。自重0の環境では筋トレも健康維持の必須科目、当然といえば当然ですよね。
宇宙での筋トレはピストン式の真空シリンダーパワー
ダンベルやバーベルなど重量的な負荷をかけることのできない世界では、真空シリンダーなどを使った負荷装置で筋トレをすることになります。イメージとしては、アポロエクササイザーや古いトレーニング施設などでごくたまに見る油圧で負荷をかける装置に似ています。原理的にはあまり進歩していないんですね。メニューや負荷の強度は地上からトレーナーの指示があるそうですから、まんまパーソナルトレーナー付きというわけです。いったいどんな感じなんでしょう。やってみたい気もしますね。設備や機器はともかく、世界中で一番コストのかかったトレーニングジムであることは間違いありません。
2001年宇宙への旅のあのシーン
とはいってもHALとの会話ではありませんよ。宇宙船でのランニングシーンです。あの映画では確かシューズに磁力が働いていたかなにかでランニングをしていたように思います。現実のステーションでは床と人間のカラダをゴムバンドでつなぎ、カラダを床に押し付けるような負荷をかけていたそうです。ゴムバンドというあたり宇宙とは落差があり過ぎて思わず「そこかい」とツッコミを入れたくなります。余談ですがHALというあのコンピュータの名前はIBMのアルファベットをひとつだけ前へずらしたものっていう話知ってました。
人間をダメにする宇宙での生活
毎日欠かさず筋トレを続けても無重力の世界は確実に人間から能力を奪っていきます。筋力やバランス感覚、自分のカラダなのに自由にコントロールできないなど。宇宙ステーションでの暮らしが長くなるほど、地上に戻ってきたときの体力低下が問題となるのだそうです。あくまでも想像ですが、地上に降りたとたん急に年をとったような感じになったりしそうです。それでもそう遠くない将来には宇宙でも地上並みのトレーニングができるようになるんでしょうけどね。宇宙筋トレ、ちょっとやってみたくもあります。