NASAが開発し、アポロ計画にも採用されたからアポロエクササイザー。そう思ってたの僕だけありませんよね、きっと。でも真相は違うみたいです。名前は同じアポロでも宇宙船のアポロとは無関係。それどころかアポロ計画が始まる70年近く前に商品化されていたという事実!これっていったいどういうことなんでしょう。
Apollo Exerciserで検索するとこんなページがでてきた
でてきたのはアメリカニューハンプシャー州チェシャー郡の情報を紹介するサイトのようです。構成を見ると郷土史っぽくもありますね。さて、注目は右の黄色く色あせた新聞広告のような部分。下に拡大しておきますがこれが元祖「アポロエクササイザー」。基本的な仕組みは僕たちに知っている「アポロ」とよく似ています。そして不鮮明ですが拡大図の赤丸内にはpatented on March 7, 1893の文字が!アポロ計画が始まったのは1961年ですから、元祖「アポロエクササイザー」はその68年前に登場していたことになります。
この広告らしきものの中には「アポロエクササイザーは一流の医師が推奨するご家庭での使用に最適な器具です。なんてことが書いてあります。弁護士、聖職者、簿記係、学生、銀行家、教師、書記官、子供たちなど、座る機会の多いすべての人の健康を守るエクササイズの器具です。的なこともいっているようです。同じアポロでもこれは宇宙船ではなくギリシャ神話のアポロンからみのネーミングだったに違いありません。それにしても人間の悩みや欲望なんて昔からあまり変わらないものなんですね。“座り仕事が多く腰痛や運動不足の方に最適!”なんて最近のテレビショッピングとかでもありそうです。
宇宙飛行士はアポロを知らない
NASAの宇宙船で「アポロエクササイザー」を使用していたという記録は見当たりませんでした。そこから推測するとどうやらあの日の少年たち、のせられちゃったみたいですね。たまたまアポロ計画と商品名が似ていたからこれ幸いとなのか、単にみんなで勘違いしていたのか。いやいやそれでもNASAと書かれていたぞという方。あれどうもNASAのロゴとはデザインが違うようなんです。「アポロエクササイザー」が日本で人気となったのは1980年あたりから、同じ頃のNASAのロゴが下のようなもの。ムシが這ったような形から「ワームロゴ」とよばれています。
もうひとつは「ワームロゴ」以前に使用され、後に改良されて現在も使われている「ミートボール」と呼ばれる下写真のロゴ。2つとも「アポロエクササイザー」の箱に書かれていたロゴらしきものとは明らかに異なります。つまり…そういうことですね。今ならすぐにおかしいと指摘が入ったでしょうが、webのなかった時代これはさほど珍しいことではありませんでした。それはそれで牧歌的で夢のあった時代なのかもしれませんね。とタンタン負け惜しみ。
明日は本物の宇宙船内での筋トレについてわかったことなんかをお話してみたいと思います。