プリズナーは英語で囚人を指す言葉。つまり囚人式のトレーニングですね。映画やドラマでも刑務所内のトレーニング風景っておなじみのシーンですよね。プリズナートレーニングの最大の特長は一般的なトレーニング機器を使わないこと。バーベルはもちろんダンベルやインクラインベンチもなし。自分の体以外何もない状態でもできるトレーニングメソッドです。ようするに自重トレーニングなんですね。そう考えると囚人は囚人でも独房に幽閉されていた人が考案したトレーニングなんでしょうかね。と思ったらブームの元となった本「プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ」の著者ポール・ウェイドさんは、凶悪犯を収監する監獄を渡り歩いてきた本物のプリズナー。あ〜これは説得力あるわ。
このプリズナートレーニング。よく考えられていると思います。基本のトレーニングメニューは6種類。腕立てふせ、スクワット、懸垂、レッグレイズ(脚あげ)、ブリッジ、逆立ち腕立てふせ。レッグレイズを除けば知っているような種目ばかりです。特定の部位に偏ることなく全身の筋肉が効率的にきたえられるムダのない構成だと感じました。
自分を解放し自由になるためのトレーニング
器具を使った筋トレでは特定の筋肉に負荷をかけることが多くなります。筋肉の発達には効果的ですが、人間本来の動作かといわれれば疑問が残ります。たとえばですが、寝て重いものを上げるなんてベンチプレス以外で経験することはないでしょう。実生活にもあまり役立つとは思えません。自分の体重を負荷とするプリズナートレーニングで鍛えられるのは使える筋肉。自分の自然な動きをどこまで引き出せるかを探るトレーニングなのかもしれません。
筋トレビギナーから総統の上級者までレベルに合わせて
先ほどメニューは6種類と書きましたがそのクラスレベルも綿密に考えられています。腕立てふせを例に取ると負荷の少ないものから最高強度・最高難度まで10段階。これなら体重の多すぎる人やまだパワーに自信のない人でも無理なく始められそうですね。だからといって最高クラスとなるとだれにでも簡単にできるというものではありません。片手腕立て伏せといえば普通は足を大きく開いてバランスを保ち、肘を直角に曲げる程度ですがそれとはレベルが違います。足を閉じアゴが床からこぶしひとつ程度までカラダを下ろすとあります。これ相当の上級者でもなかなかきついはずです。
自分のカラダをマネジメントする自重トレーニング
自重トレーニングはジムに行けない日に行うサブメニュー。いままではそんなイメージが先行していました。しかし自重も突き詰めるとここまでいけるのか。そう思えたのは新鮮な発見です。またジムトレーニング以上に自分のレベルや体力に合わせたマネジメントが大切です。回数や時間ではなく、負荷の程度やどの部位にどう効いているかなどですね。つまり、筋肉にかかる負荷を調整しながらカラダのメンテナンスチェックを行うのです。経験を積むことで精度は高くなりより効果的なトレーニングが可能になるようです。
ボクの考えるプリズナートレーニング7つのメリット
・器具を必要としない
・場所を選ばず思いついたときに行える
・限界を超える負荷によるケガのリスクが小さい
・器具の不具合、落下等の事故リスクが小さい
・自分のレベルに合わせて調整できる
・全身をバランスよくきたえることができる
・筋肉についての意識と学びが深まる
自分を解放するプリズナートレーニング
プリズナートレーニングの大きな特長は自分の肉体との対話。その対話の中から理想を実現するためになにをやるべきかが学べるのだと思います。大胆にいってしまえば今までの自分を閉じ込めていた牢獄からの解放。プリズナーとは囚人ではなく今ある現実に囚われている私たち自身なのかもしれません。